2011年4月27日水曜日

【物理学専攻】光物性物理研究室 有機π電子系グループ

4月22日、物理学専攻 吉澤雅幸先生に案内していただき、光物性物理研究室有機π電子系グループの実験室にお邪魔しました。
ちょうどこの日、地震で故障した光学実験台の足の部分の応急処置が行われました。

吉澤先生の研究グループは、
2月中旬に総合棟から巨大分子解析センターに引っ越したばかりでした。
引っ越し後、実験装置の立ち上げが7割ほど進んだところで被災。
あと2、3日で終わるはずだった作業でしたが、いちからやり直すことになってしまいました。


*光学実験台とは機器を設置する大きなテーブルのようなものです。

3月11日、そして4月7日の地震で光学実験台は位置がずれてしまいました。
どんなふうに動いたかというと…


*ピンクの点線が地震後の位置

…こんな感じです。
「あれ?思ったより動いてないかも…」
そう思うかたもいるかもしれませんが、
実はこの光学実験台、重さがなんと約3トン!
そんな重さの台ですら、こんなに動いてしまったのです。


業者さんと故障した部分をチェックする吉澤先生(左)。
故障してしまったのは、

台と接している空気バネの部分です。
除震装置でもあったそうですが、
今回の大きな地震には耐えられなかったようです。

4台のジャッキを使って台を持ち上げ、
その間に足を交換します。

今回は足は8本のうち4本を交換しました。
(すぐ準備できるスペアが4本だったそうです)
残りはもう少し先になるそうです。

吉澤先生は「これで研究復旧のスタートに立てます」と
すこしほっとした様子でした。

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光物性物理研究室
有機π電子系グループ
◆研究内容
共役π電子をもつ有機物質系は、構成要素(分子など)が集合して高次構造をとることで多彩な光機能性を発揮します。例えば、光合成系の色素蛋白複合体や分子を内包したカーボンナノチューブはナノメータースケールの規則正しい構造をもち、これらがさらに凝集して高次構造を作っています。これらの物質の構造と励起状態ダイナミクスの関係を研究することで、新たな光機能材料の開発を目指しています。(ホームページより引用)

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2011年4月22日金曜日

硝子機器開発・研修室の場合

4月21日、硝子機器開発・研修室におじゃましました。
ガラスという繊細なものを扱う部門なので「地震の影響は?」と心配しておりました。
被害状況は?というと、


↑地震による被害1
↑地震による被害2

のような状態だったそうなのですが、
私がうかがった時は片付けもほぼ終了して、通常モード。澤田さんが地学の研究室からの依頼でガラスに9㎜の穴をあける作業中でした。穴の部分に樹脂を入れ、どれくらい膨張するのかを計測するのに使うらしいです。

入社?二年目の佐藤さんと大先輩の扇さんが澤田さんの後ろで、後片付け中。
地震を生き延びたガラスたち。良かった、良かった。

◆おまけ◆
どのくらいまでカラスを薄くできるのか?という質問に、それではと実演してくださいました。
サランラップのようにうすーくなりました。手でぱりぱりと壊れます。

2011年4月21日木曜日

【化学専攻】理論化学研究室(物理C棟2階) 

4月19日、化学専攻の美齊津文典(みさいづ・ふみのり)先生に案内していただき、理論化学研究室にお邪魔してきました。

【実験室その1】
before
[2011/03/14 美齊津先生撮影]


地震直後の写真です。
ブルーのボックスにはパソコンや機材などが
きちんと納められていましたが、
全て落ちてしまったそうです…

after
[2011/04/19 広報室撮影]
いまではすっかり元通り!
すぐに動かせる状態になっています。

【実験室その2】
おとなりの実験室を覗いてみると…


小安先生と学部4年の森山くんが実験の準備をしていました。
この実験室にあるチャンバーは正確に軸を通して並べなければいけません(測量の機器を使います)。
そのため、
地震でずれる

なおす

また余震でずれる

なおす
を繰り返すことに…
その軌跡がこちら。


地震発生時、実験室にいた小安先生は
大きな揺れの中、自分の体とボンベ(写真左)を支えながら踏ん張っていたそうです。
(ちょうどこの位置に立っていたそうです)



美齊津先生は出張で不在でしたが
地震発生後、すぐに出張先の愛知から車で大学を目指し、
翌日の12日(土)の午後には仙台市に到着したそうです。
(3月は授業がない&学会の時期なので、先生方にとっては出張シーズンなのです)
(左から美齊津先生、小安先生、森山くん、星野くん)


理論化学研究室では学生・院生もほとんどが大学に戻っているそうです。
徐々にですが実験やセミナーも始まっているそうで、パソコンで画像の解析をしている学生さんもいました。

これからの研究活動も応援していきたいと思います。

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理論化学研究室
*テーマ:
原子分子小集団(クラスター)を中心とした化学反応動力学・反応物理化学
*研究室のブログはこちら

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2011年4月12日火曜日

東北大学大学院 薬学研究科薬学部 付属薬用植物園その2

撮影された寺田先生のお話によると、カタクリは例年より1週間ほど早く咲いているそうです。
寺田先生
「ここら辺りが咲き始めると春本番といったところです」
菊咲き一華(キクザキイチゲ)



春蘭(シュンラン)

片栗(カタクリ)






むかしはこのお花の鱗茎の部分から抽出したでんぷんで片栗粉を作っていたんだそうです。


[撮影 2011/04/11 寺田先生(化学専攻)]

2011年4月8日金曜日

物理学専攻 素粒子・宇宙理論研究室(場所:総合棟10階)

素粒子・宇宙理論研究室の山口先生の案内のもと、総合棟10階にある山口先生の研究室、図書室にお邪魔しました。


【研究室】
地震の時、山口先生は出張のため不在でした。
(仙台に戻るのに4日間かかったそうです)
やっと大学に戻り、研究室をはじめて見た時は愕然としたそうです。

before
[撮影 2011/03/22 山口先生]




その頃はエレベータが停止していたため、研究室に行くには階段を使用します。
1階分の階段は23段なので…10階まで行くにはおよそ207段を上らなければなりません。
た、大変です!
(しかもガソリンがなく自宅から12キロ離れた大学まで自転車で来ていたとか。)


after

[撮影 2011/04/07 広報室]





そして、2日間かけて片づけた後の研究室。
みちがえるほどキレイです。

【研究室の図書室】
この図書室には素粒子・宇宙理論に関する書籍がたくさんありました。



[撮影 2011/04/07 広報室]





ほとんどの本が落下し、本棚は歪んでしまいました。
(奥に置いてあるサーバを立ち上げるため、この通路部分だけは先に片づけたそうです)

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*この記事を作成したのは7日でした。
その日の夜、大きな余震がありましたが、
山口先生の研究室は、本が数冊落ちただけで済んだそうです。

2011年4月7日木曜日

地球物理学専攻 地球環境物理学講座(場所:物理A棟5階)

物理A棟5階にある地球環境物理学講座の花輪先生の研究室です。
まずは、地震直後の状態を。
[撮影 2011/03/24 花輪先生]
花輪先生
「時計は2時48分3
0秒で止まっています。
地震で時計が揺れ、この時間
に電池が外れたものと思われます。」
before


[撮影 2011/03/24 花輪先生]
研究室は大量の本が落下し、足の踏み場もない状態でしたが、、、

after

[撮影 2011/04/07 広報室]
いまでは、すっきり、きれいに元通りです!
花輪先生、スタッフのみなさんおつかれさまでした…
-----ここから4月8日に追加更新-----

…だったのですが、
4月7日23時32分頃、最大震度6強の地震が発生しました。
(理学研究科がある仙台市青葉区では震度6弱)

キレイに片づいたはずの研究室は…

ふたたびbefore

[撮影 2011/04/08 AM 花輪先生]
…となってしまいました。
きれいだったのは、わずか1日。
また、本で床が埋め尽くされてしまいました。

しかし、リカバリーも素早いのが花輪先生&スタッフさんのすごいところです。

ふたたびafter

[撮影 2011/04/08 PM 広報室]
あっという間に元どおり!
ちゃんと床が見えてます。

願わくば、もうこれ以上、片づけアゲインなことになりませんように。 

2011年4月4日月曜日

物理学専攻 ナノ固体物理研究室(場所:物理A棟)

3月31日(木)、物理学専攻の谷垣先生の案内のもと、物理A棟ある「ナノ固体物理研究室」にお邪魔しました。

【実験室】
谷垣先生やスタッフのみなさんの頑張りにより、片づけはほぼ終了していました。
※いまは電源を入れていませんが、電気も復旧済みです。



【谷垣先生の研究室】
地震の時、谷垣先生はこちらに在室し、机の下に身を隠していたそうです。
当時、本はすべて落下してしまいましたが、幸い、本棚は固定していたため倒れませんでした。

谷垣先生
「本を固定していなくて良かった
もし固定していたら重みで本棚も倒れてたね」



【スタッフの研究室】
(左から平郡先生、谷垣先生、田邉先生)
こちらも片づけはほぼ終了。
平郡先生、田邉先生は、すでに通常の仕事を始められてました。
※平郡先生は4月1日付でポスドクから助教になられたそうです。

[撮影 2011/03/31 広報室]